東大生「理3は何浪しても合格できない」 1000人を超える天才たちに聞いてわかった「いまどき理3生」の実像

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今回は、その40年の蓄積から見えてきた「東大理3合格者の変化」について、2つの視点から紹介します。

1. モチベーションの変化

かつての理3志望者は、「東大という学びの場に惹かれた」「自分の学力を試したい」といった理由で理3を選ぶケースが目立っていました。いわば「勉強好きの延長線上にあった理3合格」だったのです。

しかし近年では、「東大に行きたい」よりも、「医者になりたい」という目的意識がより明確になってきています。医学部進学そのものを人生の軸と考え、その中で“東大”を選ぶという構図です。

今年の東大理3合格者たちに、「なぜ東大理3を志望しましたか?」ということを聞いてみたところ、下記のような声をいただきました。

「医学部を志すようになり、教養学部の魅力や向上心に溢れる他の学生に囲まれた環境、自分の学力から総合的に判断して理3を受験した」

「自分の通える範囲内かつ目指せる位置にある医学部のある大学のうち、最も学生や教育のレベルが高く、前期教養課程など魅力も多い場所だと思ったから」

こうした声に共通するのは、東大理3が“医学部の中で最もレベルが高く魅力的な選択肢”として選ばれているという点です。

つまり、「勉強の結果としてたまたま東大に届いたから挑戦した」ではなく、「医者になるために、だからこそ東大理3へ」という流れが、ここ数年で主流になりつつあるのです。

さらに、将来についての質問でも、この傾向ははっきりと表れています。近年のインタビューでは「医者になりたい」と明言する学生が大多数を占めており、それは過去の傾向と大きく異なっています。以前は「医者という選択肢も残しつつ、いろいろなことに挑戦したい」「研究や他分野の可能性も考えている」といった柔軟な回答が目立っていました。

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