【日本人の2人に1人が予備軍】30〜40代に多い≪スマホ認知症≫の気になる症状 専門医が指摘「使用時間より使い方に問題あり」

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なんとか症状が悪化する前に食い止めたいものだが、自分自身でできる対策としては、どんなことがあるのだろうか。今日からすぐできる生活の見直しポイントや改善策として、内野医師は以下の5つを挙げる。

「余白」の確保に“白黒モード”設定……効果的な対策は

1.「余白」をスマホで埋めない

「これが最も重要です。電車の中、休憩時間、寝る前など、ついスマホを触ってしまう時間を、読書や音楽、軽い運動など、他の趣味の時間に置き換えてみましょう。“読書+アロマ”や“運動+音楽”のように、五感を複数使う癒やし要素を掛け合わせると、さらに効果が倍増します」

2.スマホを「つまらなく」する

「どうしても手放せない場合は、スマホの画面を“白黒モード”に設定してみてください。カラフルな世界が一瞬で色を失い、驚くほどSNSや動画を見る気が失せます。インスタ映えもしませんし、世界が白黒になった途端、人間の脳は全然ドーパミン(多幸感や刺激を感じさせる神経伝達物質)が出なくなりますから」

3.食事を見直す

「空腹時に血糖値が下がると、脳は快楽を求めてスマホを触りたくなります。血糖値の急上昇・急降下を招く白砂糖を避け、黒砂糖に。お菓子はふ菓子や、ナッツ類に切り替えるといいですね。基本は“お米と味噌汁”。良質な塩(海水から作られた自然塩)を使った和食は、脳の機能を安定させてくれますから、日常使いする塩にこだわるのも手です」

4.自分なりの「スイッチ」を作る

「仕事とプライベートの切り替えスイッチを作りましょう。私の場合は、車に乗ってナビに向かい、“最新のニュース”と声をかけるのがオフの合図。これをすると、音声でニュースを聞いているうちに、仕事の記憶がスッと消えます(笑)。自分なりのルーティンを見つけることで、うまく脳をリラックスモードに導けるとベターですね」

5.感情を解放する

「週に一度、思いっきり泣ける映画を見たり、お笑い番組で大笑いしたりして、感情をデトックスしましょう。推し活もいいですね。涙や笑いは、ストレスホルモンを排出し、脳をリフレッシュさせてくれます。スマホを“だらだら見る”のではなく、“感情を動かすツール”として能動的に使うのです」

また、耳から入る音も、脳の健康状態を左右するという。金町駅前脳神経内科では、待合室にスピーカー『kikippa』を導入しているが、ここから出力される、40Hz(ヘルツ)変調を加工した「ガンマ波サウンド」は、脳内にある老廃物の排出を促す効果があるといわれており、認知症予防としても注目されているそう。

内野医師が「予備軍は5000万〜6000万人ほどいるだろう」と推察しているスマホ認知症。脳がむしばまれる前に回避したいものだが、

「スマホ認知症は、決して怖いものではなく、スマホとの付き合い方を見直し、自分の生活を取り戻すための“最高のきっかけ”にもなり得ます。スマホに脳をハッキングされるのではなく、自分の人生を豊かにするためのツールとして使いこなす。他人のSNSに“いいね!”を押す時間があるなら、自分の心と体に“いいね!”を押してあげてください」

スマホをポケットにしまって、自分の心と向き合う時間をつくる——。それがスマホ認知症を防ぐ、いちばんの予防策なのかもしれない。

高橋もも子 ライター

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たかはし・ももこ / Momoko Takahashi

埼玉県出身。週刊誌やWebニュース編集部での勤務を経て、2020年よりフリーライターとして活動中。エンタメ分野を中心にインタビューを重ね、これまでに取材した人物は700人以上。芸能人のエッセイ本や写真集のライティングも担当。趣味は旅行サイトと物件サイトを眺めること。始めたいと思っていることはエレキベース。

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