【日本人の2人に1人が予備軍】30〜40代に多い≪スマホ認知症≫の気になる症状 専門医が指摘「使用時間より使い方に問題あり」
「患者さんが抱えるお悩みとしては、女性の場合は家事や育児、買い物の予定に習い事、実家のお母さんとの約束ごとを忘れてしまうとか。男性なら仕事上の会議や納期をすっぽかしてしまったり、運転中に道が分からなくなって焦る、なんて話も多いですね」
ただし、こういった訴えを聞いた内野医師は、「スマホ認知症の段階で済んでよかったな、ってホッとする」と言う。その理由は、患者に“自覚がある”から。
「一番怖いのは、自分が“忘れている”ことを覚えていないパターンですね。本人はまったく問題ないと思っているけど、家族や職場では、“あの人、また忘れてる”と周囲が困っている。それで周りの人間に促されて受診される方もいらっしゃいますが、この“他覚的な物忘れ”は、すでにスマホ認知症の域を越えており、認知症として要注意の兆候です」
つまり、自分で「最近ちょっとおかしいかも」と気づけるうちは、深刻な病状ではない可能性が高い。だからこそ、早めの気づきが大事になる。
“脳をフル回転させている人たち”が早期に病院を受診
スマホ認知症外来ではオンライン診療をメインに行っているが、こちらをよく利用するのは、「通院の時間が取れない」「病院に行くほどではないと思っていた」というIT企業勤務のビジネスパーソン、研究職の方、広告業界で働く多忙なクリエイターなど。その大半は「普段から脳をフル回転させている人」たちであり、自分の変化に敏感な、いわゆる“セルフモニタリング力”の高い人が多いという。
「自分の“ちょっとした違和感”に気づけるのは、ある意味、前頭葉がしっかり働いている証拠です。逆に脳が本当に疲れてしまうと、“気づく”ことすら難しくなりますから」
なお、オンラインでの相談者は男性が多く、外来に足を運ぶのは女性の割合がやや高いという。これは「仕事の合間に時間がとれない男性」「比較的時間に余裕のある主婦層」といったライフスタイルの違いも影響しているようだ。
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