なぜ自動車メーカーは「アウトドアビジネス」に消極的なのか? 試金石が生かされない「製販分離」の功罪

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アウトドアサービス事業はもとより、アウトドア関連の用品についてもディーラーオプションが基本であり、タイヤホイールの変更や車高を上げるリフトアップといったアフターパーツの取り扱いに慎重な姿勢を示すディーラーは、少なくない。

そうしたカスタマイズをするユーザーは、新車販売全体でみれば少数派だ。

アウトドア系アクセサリーを装着した新型「フォレスター」のデモカー(筆者撮影)
アウトドア系アクセサリーを装着した新型「フォレスター」のデモカー(筆者撮影)

アウトドアといってもクルマそのものには手をつけず、ホームセンターなどで購入したアウトドアグッズを搭載してデイキャンプに出かける程度の人が、少なくない。

ここまで見てきたように、ディーラーでアウトドアを主力の収益源にするためには、自動車メーカーとの連携が不可欠なのだが、現時点ではそこまでの状態に達していない。

つまり、自動車メーカーがアウトドアに消極的なのだと考えられる。

アウトドアビジネスへの期待

スターキャンプを軌道に乗せた三菱の動きに自動車メーカー各社は注目しているが、これから先の道のりは決して平坦ではない。

それでも、マツダが国内営業戦略を刷新する中で立ち上げた、ディーラーのバックヤード業務を一括管理する新会社「マツダ ビジネス パートナー」や、トヨタ「AE86」のEVコンバージョンなど旧車のレンタル事業も手掛ける「KINTO」などに、アウトドアビジネスの事業化を期待できる要素はある。

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いずれにしても、自動車産業界においてバリューチェーンの変革は、クルマの電動化や知能化が進むうえで避けては通れない。アウトドアビジネスが、その試金石になるのかもしれない。

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桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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