パート労働者への厚生年金適用拡大、中途半端な導入より被用者年金一元化を

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
パート労働者への厚生年金適用拡大、中途半端な導入より被用者年金一元化を

社会保障と税の一体改革路線に基づき、年金制度改革関連の法案が国会で審議される。

年金制度改革に関して注目されているポイントはおおむね二つ。一つはパート労働者への厚生年金適用拡大、もう一つは公務員の共済年金と会社員の厚生年金を統合する被用者年金の一元化だ。ところが、二つとも、いかにも中途半端な制度改革になりそうな雲行きである。

矛盾だらけの改革

このうち、パート労働者への厚生年金適用拡大については、政府・民主党が法案を提出している。

現在、パートなど非正規雇用者のうち、週30時間未満の労働者は、労使で保険料を折半する厚生年金には入れない。彼らは、国民年金に加入し自分で保険料を全額払わなければならない。ただし、会社員や公務員の配偶者で年収130万円未満の「第3号被保険者」は、保険料を払わずに国民年金に相当する基礎年金を受給できる。単身者のフリーターなど、第3号被保険者以外の非正規雇用者の中には、月約1万5000円の定額の国民年金保険料を負担に感じている人が多い。払っていない人も少なからずおり、彼らは将来、無年金あるいは低年金者になってしまう。

パートへの厚生年金適用拡大は、将来、基礎年金に上乗せして厚生年金ももらえるようにすることで、非正規雇用者とりわけ第3号被保険者以外の人たちの処遇を改善することが狙いだ。併せて、第3号被保険者を減らすことも狙っている。

 

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事