「国内生産100万台を維持する」--国内従業員を鼓舞する日産ゴーン社長

「国内生産100万台を維持する」--国内従業員を鼓舞する日産ゴーン社長

「今後、拡大する(自動車生産の海外における)現地化に対し、マザープラントであるわれわれの位置づけは--」

3月26日、日産自動車いわき工場(福島県いわき市)。東日本大震災の被災後、3度目の訪問となったカルロス・ゴーン社長に、ある従業員が問いかけた。

「LCC(Low Cost Country)での活動は皆さんのライバルではありません。マザープラントである日本は、日産の新興国戦略を支援する役目を担います」。ゴーン社長は力強く答えた。

震災で被災したいわき工場は「インフィニティ」など上級車向けのエンジンを主に生産している。昨年3月の震災後には地盤が9cm沈下、その後の余震で最大15cm沈下し、生産設備に支障をきたした。その後、応急措置を施し昨年4月18日には生産が一部再開、同5月17日には全面再開を果たした。
 
 生産再開後は30億円を投じ、地盤基礎の恒久対策工事に着手。生産現場の基礎の新設や補強を行っている。計画通りに進めば今年7月までには工事が完了する見込みだ。

依然として高い水準で推移する円相場、高い法人税、人件費など六重苦ともいわれる環境に苦悶する日本の製造業。大手メーカーを中心に海外への生産移転が加速する中、日産いわき工場で働く従業員にも、自らの存在に対する不安が揺らぐ。冒頭の問いはその表れである。

対するゴーン社長の答えは明快だ。国内製造拠点の生産規模を落とさずに、新興国での現地化を推し進めるという戦略である。

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