「日本はもういいかな…」年収3億円の親日家が語る、中国≪超富裕層≫が訪日を“卒業”したワケ
訪日中国人の個人観光ビザが解禁してから10年以上が経ったが、その中で来る人たちの特徴が少しずつ変わってきている。イノベーション理論でいわれる、イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードで言えば、今日本に来ているのは、流行の後追い組であるレイトマジョリティとラガードだと思われる。

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いま日本に来ている中国人は「財布のひもが固い」
その証拠はコロナ後の中国人の訪日回数の変化から読み取れる。
下記の図の1番上の青色の折れ線は初回の訪日を表しており、下の折れ線はリピーターの推移を表している。コロナ前は初回訪日者も多いが、リピーターの割合も徐々に増えていることがわかる。
リピーターの多くはイノベーター=海外に興味を持つ高所得で高い教養を持つ中国人であり、彼らがまず日本の個人旅行市場を開拓した。それから彼らの影響を受けているアーリーアダプター、アーリーマジョリティがあとを追うように日本を訪れていた。

コロナ以前の中国人旅行者は、本当に日本のことが好きで、消費力もあり、日本のすべてに対し好奇心と好感にあふれる観光客たち。円安ではなくても、日本のお店のサービスがよいので、欧米ブランドや日本の高級工芸品などを買うし、座禅・宿坊から、美容整形・料理教室まで、あらゆる面で日本を満喫していた。いわゆる真の「高付加価値旅行者」だった。
ところがコロナが明け、様相が一変する。
最初こそはビザ発行条件が厳しかったためリピーターが戻ったが、2024年以降は、リピーターの割合が緩やかに下降し、初回の旅行者の割合が増加している。
経済の低迷もあり、コロナ後に初めて来日する彼らは以前の「高付加価値旅行者」に比べると、買い物意欲も予算も低めで、財布のひもは固い。
また、若い人は「映え」を重視しているので、写真や動画を撮るために観光していて、落ち着いて「文化」を体験する気持ちも時間もない。
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