フジテレビはどこまでフジテレビを検証できたのか? 「検証 フジテレビ問題」を徹底的に考察してみた

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さまざまな部署の女性社員たちが選抜され「港さんと仲良くお食事をする会」として、定期的に集まったという。どこかの独裁国家のような異常な企業風土がよくわかる話だ。

さらにその会を知った現場のプロデューサーの中には、メンバーに個別に接触し、接待に呼んでいた者がいた。元社員Aさんの事案が生まれたメカニズムが、こうした企業風土にあったとわかる話だ。

さらに大多元専務も女性アナウンサーを集めた会を行っていた。その中の1人が「女性アナウンサーは上質なキャバ嬢だ」と大多氏が言ったと証言。これもびっくりだ。

「女性アナウンサーは上質なキャバ嬢だ」と大多氏が言ったと証言する女性アナウンサー(写真:フジテレビ公式YouTubeチャンネルより)

こうしたことについて、番組は港・大多両氏にマイクを容赦なく向けた。両氏の答えにならない答えには呆れるしかない。

「反町問題」で当時の報道幹部が語った反省

また、元キャスター反町理氏のハラスメント案件を『週刊文春』が報じた2018年、反町氏のキャスター就任に対し、報道部門で反対意見があった。そのことを、当時の報道局編集長、鴨下ひろみ氏(現在は甲南女子大学准教授)がカメラの前で証言し、忸怩たる思いを語った。「苦しんでいる女性の立場に立って上層部に伝えることができなかった」と自責の念を語る。

過去のハラスメント案件が明るみに出て、取締役から退任した反町氏(写真:フジテレビ公式YouTubeチャンネルより)

反町氏が報道局全体会議の場で謝罪した映像も番組内で流した。「当事者の方も含めて迷惑をかけた」と、ハラスメントを認めたとも受け止れる発言だ。

だが当時の岸本一朗専務は、反町氏をキャスターに任命してしまう。会社は「ハラスメント事案としては認定するに至らず落着している」と発表した。結局、報告書でハラスメントの加害者と認定された反町氏は、6月5日にフジテレビから処分され、「契約終了」となっている。

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