2025年路線価に見る「暮らしの価値観」の変化。明暗を分けたものとは? 不動産の「三極化」が進行、都市近郊エリアの躍進も目立つ
都市部でマンションが購入できなかったとしても、郊外エリアであればマンションのみならず一戸建ても選択肢に入ってくる。新築マンションは狭小化が進んでいることから、ゆとりある広さや間取りを重視するならなおさらだ。
大都市部は家賃の上昇も顕著で、東京23区の単身者向け賃貸住宅の平均賃料は10万円を突破。つい先日、板橋区のマンションで家賃が2.5倍に値上げが通知されたというニュースもSNSを賑わせた。
賃料は、不動産価格の上昇から2〜3年遅れて上昇基調をたどるのが常。仮に不動産価格が現状のままであったとしても、これまで上がってきたエリアの賃料が今の水準のままということにはならないだろう。
暮らしの質が地価を左右する時代に
持ち家でも賃貸でも大都市部に家を持つことが容易ではなくなり、暮らし方や働き方が多様化した今、地価の動きはもはや単なる需給で語ることはできない。
人々の価値観が「便利」や「高級」から「心地よさ」や「安心感」へと移り変わる中で、再開発や子育て支援が進むエリア、あるいは自然と調和する郊外住宅地などに注目が集まっている。
住宅地の路線価は、こうした“未来に住みたい場所”への期待を如実に映す鏡。利便性に優れるとはいえなくても、将来性のある街は確実に評価され始めている。
今後はさらに、都心・駅前・駅近を頂点としたピラミッド構造から「暮らしの質」が地価や不動産価格を動かす時代へのシフトが加速していくはずだ。
「美味しい食べ物屋さんがある」「雰囲気の良いカフェがある」「面白い人が住んでいる」……こうしたことが暮らしの価値に、そして「この場所が好きだから」という理由で住んでいる人の数が土地の価値に、ひいては地価や不動産価格に結びついていくことになるだろう。
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