2025年路線価に見る「暮らしの価値観」の変化。明暗を分けたものとは? 不動産の「三極化」が進行、都市近郊エリアの躍進も目立つ

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インバウンドの回復で火がついた観光地とそうではない地域の差は「自分たちがどう見られているか」を客観視できているかどうかにある。

複数の施設や機関が連携して回遊できる仕組みを作り、街全体で楽しめる観光地は魅力も地価もどんどん高まっている一方で、横の連携がない街は観光客も呼べず、住人も呼び込めず、今後も苦戦を強いられることになるだろう。

街の魅力を客観的に見ることができていて、SNSなどを使って上手くPRできるかどうかが、今後の地価を左右すると言っても過言ではない。

上昇率全国5位の東京・北千住は異色に思うかもしれないが、筆者は数年前から注目していたエリアだ。

都心部の不動産価格が急騰する中、利便性が高い一方で割安感のある北千住の価値が再認識されている形だが、根幹にあるのはやはり自治体運営の成功だろう。

再開発や大学の誘致、さらに「おいしい給食担当課」を設置することで学校給食の食べ残し率を低減するなどユニークな政策も奏功し、若年層の流入につながり、一昔前までの足立区の印象が一新されつつある。

子育て世帯など若い世帯が入ると、街の新陳代謝は活性化し、価値も上昇していくものだ。その象徴が、北千住や3月に公表された公示地価で東京23区の上昇率3位につけた綾瀬だろう。

「セカンドベスト」エリアの躍進

2025年の路線価では、首都圏でいえば東京23区だけでなく、調布などの都下や大宮、千葉などの都市近郊エリアの躍進も目立つ。これは大都市部で不動産を購入することが難しくなり、「セカンドベスト」を模索する動きが如実に現れているということだろう。

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