なぜトランプ大統領はここまで強硬にイスラエルを支持するのか…「日本人には理解しづらい」宗教的な背景を探る
このような傾向は、現在も変わっていない。特にガザ地区における紛争は、1948年のイスラエル建国以来、たびたび繰り返されてきた爆撃や砲撃、強制移住の延長線上にある。
2023年10月以前の段階で、約360平方キロメートルのガザ地区には約220万人が暮らしており、1平方キロメートルあたりの人口密度は世界最高水準に達していた。
ガザ市の人口密度は1万人を超えるとも言われ、失業率は46%、住民の65%が貧困ライン以下の生活を強いられていた。インフラも整備されておらず、電力や水の供給さえ満足に得られない。
戦闘と極貧生活が常態化するなか、サイード・アブデルワーヘドは『ガザ通信』のなかで、次のような印象的な証言を紹介している。
このような声に耳を傾けるアメリカ人は、残念ながらごく少数に過ぎない。
確かに、2023年から続くガザ紛争におけるイスラエル軍の過剰な攻撃を受け、Z世代を中心に反イスラエル的な感情が芽生えていることは事実である。しかし、アメリカ社会全体から見れば、その比率は決して高くはない。
ヨーロッパ諸国ではイスラエルのネタニヤフ政権に対する批判の声が相次いでいるが、アメリカのトランプ政権は依然として一貫してイスラエル支持の立場を崩していない。
トランプの「孫10人全員」がユダヤ人
クリスチャン・シオニズムに関係する問題に戻ろう。
キリスト教には、ユダヤ教徒とキリスト教徒が一体化するという考え方が存在している。これは「終わりの日におけるイスラエル」として聖書のエレミヤ書などにも書かれているが、この預言はプロテスタントのルター派にも、カルヴァン派にも受け継がれている。
カルヴァン派の一派である長老派に属するトランプもこの教えを受けている。
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