「ダウンタウンDX」最終回はなぜ“炎上”したのか? 長寿番組の無念な幕引きが示す制作の限界

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もちろん、ダウンタウンの冠番組の最終回で本人たちが出ないことに不満を持つ人がいるのは十分理解できる。ただ、そのことで制作者を責めるのはお門違いなのではないか。

そもそも、一般論として、自分からあえて面白くない番組を作ろうとする制作者など存在しない。私自身も過去に番組制作の仕事をしていたことがあるが、現場の人間は常に「どうすれば番組が少しでも面白いものになるか」ということしか考えていない。わざわざ面白くないものを作ろうとする人には一度も会ったことがなかった。

もちろん、テレビ番組を見てどんな感想を持つのもその人の自由なので、「ダウンタウンDX」の最終回を物足りなかったと感じる人がいてもいい。ただ、たとえ面白くないと思ったとしても、その原因が作り手の怠慢によるものだという可能性はきわめて低い、ということが言いたいだけだ。

制約がある中で最善を尽くした可能性

むしろ、作り手としては、本人たちも出ない、総集編もできない、といったがんじがらめの状況の中で、何とか最善を尽くしてひねり出したのがあの企画だった、ということなのだろう。

番組の構成を担当していた放送作家の山名宏和氏も、自身のブログの中で、この最終回の内容について「おそらく非難轟々だろうけど、いろいろとお察しください」と書き残している。この文章を素直に受け取るなら、作り手としてはベストを尽くしたが、やむをえない事情により、こういう形になったということなのだろう。

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