「永野芽郁騒動」で揺れた映画《かくかくしかじか》が意外にも健闘の理由は? 見る人次第で傑作にも凡作にもなる「東村アキコ」の自伝的作品

5月16日より公開された映画『かくかくしかじか』。
公開直近の4月23日に主演・永野芽郁の不倫疑惑が報じられると、ネットニュースやSNSなどの“世間”が一斉に沸き立った。その騒動の大きさから一時期は公開が危ぶまれたものの、当初の予定通りに封切りされた。
その後、公開から2週間ほどが過ぎると、映画の存在は忘れ去られたかのように話題にならなくなった。ただ、公開7週を経た現時点で興行結果を見ると、最終興収10億円前後が見込まれるヒットになっている。
それは作品性そのものの評価に相当する数字に思われる。主演俳優の不倫疑惑騒動は、映画興行にほとんど影響していないことがうかがえる。
騒動の渦中の強行公開でヒットスタート
異例ずくめの映画公開だった。
不倫疑惑一報後の対応を経て、騒ぎが一段と大きくなると、宣伝のための永野芽郁の個別取材スケジュールがキャンセルされた。ほかにも、SNSなどオンラインのプロモーションも大幅に縮小されて限定的なものになり、俳優陣が勢揃いする恒例の初日舞台挨拶イベントはメディア取材をシャットアウトする異例の態勢で実施された。
そんな状況の封切りだったが、フタを開けてみると好スタート。初週で興行収入1.7億円(動員12.5万人)、2週目で興収4億円(動員30万人)は、メディアの逆風にさらされたなかの船出としては健闘したといえるだろう。
その後、一部メディアの論調は、映画自体は評価する方向へと変わり、公開1カ月(6月16日)で興収7.7億円(動員58万人)と、最終10億円前後が見込まれるヒットになっている。

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