遊びや食事、お風呂やトイレ…日常のあちこちに仕掛ける"学びのフック"。《戦略的ほったらかし教育》実践のヒント
「くもんなぜなぜカレンダー」の表側には、その時季の行事や星座などに関連した質問が載っています。そして裏側には、その答えと答えにまつわる歴史や背景が書かれています。このカレンダーを使えば、子どもが今興味を持っている行事と結びつけて、季節の風物詩や歴史などについて楽しく知ることができるはずです。

また、季節の行事に紐づけて、子どもの学びへの関心を喚起する方法もおすすめです。たとえば、七夕の時期には短冊を書きますが、子どもは「お母さん、なんて書いたの?」と必ず聞いてきます。
そこにあえて、「それってどういう意味?」と子どもが興味を持ちそうなキーワードを混ぜ込んでみます。子どもが食いついてきたら、「わからない言葉はこうやって調べるといいよ」と辞書を開いて見せましょう。
すると、子どもは実体験の中で辞書に触れることができます。こうした経験は、国語の宿題をしているときに何度も「辞書をひきなさい!」と注意されるよりもずっと効果的に、わからない言葉があれば辞書をひくという行動につながっていきます。
【月の満ち欠けカレンダー】
実際に夜空を見上げて、理解を深めるきっかけをつくることができます。「明日は満月だから、空を見ながら帰ろう!何時頃なら月が見られるかな?」などと対話してみてください。月から派生して、星座や惑星について深掘りしたくなる子もいるはずです。
【本を置く】
トイレに子どもの興味のある本を置いておくのもいいアイデアです。そして、その中に親が子どもに読んでほしいと思っている本を1冊紛れ込ませてみてください。
子どもがいつの間にか読んでいた、なんてことが起こります。「読んでみたら」と伝えると子どもは読まないので、何も言わずに他の本と一緒にそっと置いておくのがポイントです。
さらに、「本好きだね」「読書しているときは、集中力があるね」と子どもにさらりと伝えれば、「自分は本好き」「集中力のある人間だ」と思い込ませることができます。
仕掛けは、知識を身につけることが目的じゃない!
「ポスターを貼っているだけで覚えられるものなんですか?」と保護者から質問されることがあります。
しかし、これらの仕掛けは書いてある知識を暗記するためのものではありません。「ちょっと聞いたことがあるな」程度の学びのフックを子どもたちの中に根づかせるためのものです。
「テレビのクイズ番組を家族で観て、一緒になって答えたことがある」「マンガを読んだときに、この話題が出てきたことがある」といった小さな接触があるだけで、子どもにとっての学びの入口ができます。
狙うべきは暗記ではなく、授業で「はじめまして」の学びにしないこと!
子どものさまざまな生活の場を活用し、戦略的に仕掛けをつくっていきましょう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら