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【朝ドラ あんぱん】 やなせたかし、敗戦後に「運命を変えた」就職先 ‟宝物”との出会いが生涯の伴侶を引き寄せる

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  • 真山 知幸 伝記作家、偉人研究家、芸術修士(MFA)

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やなせたかしが生まれ育った高知県の景勝地 桂浜(写真:chaojibobocf /PIXTA)
NHKの連続テレビ小説「あんぱん」が、放送回を重ねるごとに注目を集めているようだ。漫画家のやなせたかしと妻の暢(のぶ)をモデルにした物語である。やなせたかしといえば、子どもたちに人気の「アンパンマン」の作者として知られているが、ブレイクしたのは69歳のとき。30代でマンガ家デビューを果たして以来、長く不遇の時代を経験している。遅咲きだったやなせたかしは、いかにして飛躍したのか。『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』の著者で偉人研究家の真山知幸氏が解説する。
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食糧難から一転し「全部食べてしまえ」と命じられたワケ

昭和天皇がラジオを通して国民に日本の敗戦を告げる玉音放送が流れると、何もかもが変わった。やなせたかしは、その変貌ぶりに驚きを隠せなかったようだ。

一変したことのひとつが、食糧事情だ。やなせの部隊は、上海決戦に備えて食費を切り詰めることになると、食事はうすいオカユのみに。「飢えるってことが1番つらいことなんだ」と、やなせは実感したという。

ところが、敗戦を迎えると、やなせたちは、お腹がいっぱいで苦しくなるほど、食べる羽目になったのだという。というのも、軍は長期戦を見込んで、3年はこの地で戦う覚悟で、大量の食糧を倉庫に保管していた。それらが一気に放出されたのだから、もう飢えに困ることはない。一安心したところまではよかったが、上からはこんな通達がなされたのだという。

「いまのうちに全部食べてしまうように」

あとで食べようと置いておいても、米軍や中国軍に取り上げられかねないから、それを防ぐために食べ尽くせというのだ。

満腹になっても「もっと食べろ」と命令されるので、みなで意味もなく周辺を走り回って、なんとか腹を空かせてはまた無理矢理食べる、ということを繰り返すことになったとか。やなせはのちに、こう呆れている。

「バカみたいですね。戦争が終わっても、軍隊というところは融通が利かない、というか、理不尽なところです」

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