“実家じまい”で急増!《人形供養祭》ずらり3000体 その全貌と、大切な人形を手放す人々の思いとは?

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寺院や神社で行われている人形供養との違いは何だろうか。

「寺社では年に1回など供養祭の開催時期が決まっていますが、花月堂では供養祭を約1カ月半に1回のペースで開催しており、お客様のタイミングでお人形を出せるのが特徴です。あとは寺社では受け付けていないガラスケースや兜など、燃えない素材も一緒に出すことができます」

さらに花月堂のHPでは、供養祭の写真を毎回アップしており、これまで行われた78回ぶんすべての供養祭の写真をさかのぼって見ることができる。同業他社では、供養祭完了の報告までは行っていないところも多いため、利用者からは「安心して供養を任せられそうだと思った」という声が増えているという。

住職が供養する様子
すべての人形、ぬいぐるみに向けて丁寧に供養が行われる(撮影/今祥雄)

供養されたぬいぐるみがアート作品になることも

集まった人形の行く末も気になるところ。基本的に、作家の名前が入った京人形などの一部を除き、大手人形メーカーで大量生産されたひな人形や五月人形はほとんど値打ちがないという。

「そのため弊社では買い取りという形をとらず、廃棄費用を含めて供養料としてお金をいただいています。そこが不用品回収業者や出張買い取り業者と違う点です」

供養祭後、一部の人形については新たなもらい手に渡る。提携の遺品整理業者や人形・ぬいぐるみコレクターに中古として価値があるものを選んでもらい、無償で提供しているのだ。

「あとはぬいぐるみを素材に作品を作っている作家さんがいるのですが、その方に気に入ったぬいぐるみを引き取ってもらい、アート作品としてアップサイクルされる道もあります」

大小さまざまなぬいぐるみたち
写真手前の段ボールに入ったぬいぐるみが作家の手に渡り、アート作品の素材として使われる(撮影/今祥雄)
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