元オリコン1位歌手shela、≪22年ぶり奇跡の復活≫が示す、幸福な「推し活」と「推され活」の極意

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shelaの場合はこのようにうまくいったが、「推し活」にもリスクはある。現実問題、「推し活」はチケット詐欺、架空取引、性搾取や未成年の“闇バイト”誘導など、さまざまな犯罪の温床にもなっている。

「推し活」にまつわる痛ましい事件が相次ぐ

例えば、2025年3月11日、ライブ配信者の佐藤愛里さん(22、活動名・最上あい)がファンだった高野健一容疑者(42)にナイフで刺され死亡。高野容疑者は、最上さんに多額の投げ銭をしていた“太客”であり、その後の金銭トラブルや心理的依存が事件の引き金となった可能性が高いと報道されている。

この事件は、"推し"との過剰な距離感や金銭依存が加速度的に関係を歪め、凄惨な結果を生んだ典型例だ。

ほか長野県佐久市では、2024年9月、アニメソングの野外イベントで、38歳の男性がほかの男性客を刃物で刺すという事件が発生。逮捕された男性は、「同じ声優を推す相手を恨んで刺そうとした」などと供述したとされ、実際に恨まれていた人物とは異なる被害者が人違いで重傷を負う事態となった。

また、2023年には警視庁が東京・秋葉原でメンズ地下アイドルが働くメイドカフェやコンセプトカフェの店舗責任者らへの研修会を開き、若者が「推し活」のために援助交際をしたり、犯罪に巻き込まれたりすることが増えているなどと説明。

2021年には、ライブ配信アプリを通して女性歌手にハマった男性が、手取り月25万円から「投げ銭」として8万円をつぎ込むようになり、むなしさと不安から自宅アパートに放火する事件も起こった。

shelaに昨今の「推し活」にまつわる事件についてどう思うかを問うと、

「本当に心が痛いですね。ファンの方々のなかで“自分のほうが推しに認知されている”とか、“自分の声のほうがライブで拾ってもらえる”とか、そういう競い合いがあるんじゃないかと想像しています。

幸い、私のことを好きだと言ってくださるファンの方は、チーム感が強いというか、みんなで輪を作ろうとしてくださっているので、救われています。だから私もみんなが目標とするところまで応えたいし、そういうファンの方ばかりだから、私も常に心を動かされるんです」

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