元オリコン1位歌手shela、≪22年ぶり奇跡の復活≫が示す、幸福な「推し活」と「推され活」の極意
これについてshelaは、「予想外で本当にビックリ。感激して胸が詰まるような想いでした」と語る。そして実際、彼女はそのステージで涙を流していた。
「あのライブは、お客様との距離がものすごく近くて。1曲1曲、ファン一人ひとりの目をじっくり見ながら歌うことは、22年前まではありませんでした。これほどの感動をみなさんからいただけたことも、ライブの実現やMVの再生回数の伸びにしても、私にとっては本当に奇跡のようなことです」(shela/以下同)

“偽物”の登場を機に「推し活」の輪が広がり……
ファンによる熱心な「推し活」により、多くの奇跡をかみ締めてきたshela。彼女は2011年に事務所との契約を終了して北海道に移住して以降、歌うことから離れ、メディア露出も控えていたにもかかわらず、なぜこのようなかたちで“復活”できたのだろうか。
転機が訪れたのは、2021年。掲示板サイト『5ちゃんねる』に、shelaの偽物が本物になりすましてスレッドを立てたのだ。
「友人から教えてもらって読んでみたのですが、“私だったら本当にこう答えるだろうな”という完全ななりきりっぷりで驚きました。
でもそれより、コメント欄に“お小遣いを貯めてCDを買いに行った”、“発売日に開店前から並んだ”、“あの歌詞が大好きだった”など、私や好きな曲に関する思い出が数多くつづられていて……。“まだ私のことを覚えてくれている人がいたんだ”、“こんな風に思っていてくれたんだ”と感激したんです。
そして友人に勧められ、Twitter(現X)やInstagram、YouTubeを開設。SNS上で彼女への「推し活」が始まったのは、この頃からだった。メディア露出をしなくなって20年以上経っていたにもかかわらず、いち早く彼女の動きを発見し、ファンたちが押し寄せたのだ。台湾など海外のファンもこれに参加した。
彼らの活動はコメントの書き込みだけでは終わらなかった。集まったフォロワーたちが、USENへの放送リクエストを繰り返し敢行し、人気YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE(ザファーストテイク)』へのリクエストもし続けたのだ。さらに一人のファンは、これらをもっと全体的な流れにしようと、多くのユーザーに向けて拡散活動を始めた。
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