セシウムによる健康被害を解明したベラルーシの科学者が会見、心臓や甲状腺への蓄積を深刻視
さらに蓄積量が多くなると、心臓の動きの悪い子どもの数がどんどん増加していることがわかった。ベラルーシの汚染地域ではそういう子どもがたくさんいる。だから子どもの死亡が多い。
チェルノブイリ原発から30キロメートルにあるウクライナのイワンコフ地区では人口1000人当たり30人が1年間に死亡している。キエフ州全体では18人だが、これも多いほうだ。
■以下は東洋経済記者による単独インタビュー
--福島県では県民を対象とした健康管理調査が始まっている。ただ、この調査に基づく健康診査は原発事故の避難区域に住んでいた住民および推定被曝線量が高いとみなされた住民のみが対象であり、健診の項目も0~6歳の乳幼児の場合、身長や体重、血液検査に限定されている。甲状腺検査も2年に1度にとどまる。
健診は必要だ。汚染地域の住民全員を対象にしなければならない。汚染地域は放射性物質が少量でもあるところも含まれる。東京も該当する。体内に取り込んだ汚染の濃度を調べないといけない。甲状腺や心臓、腎臓、肝臓、血液の検査が必要だ。頻度は半年に1度とすべきだ。
--福島原発事故による内部被曝の影響についてはきちんとした調査が行われていない。医学界や医療界は健康影響を深刻に受け止めているとは言いがたい。このような状況はどうすれば打開できるか。
世論や国会議員の意思で、健康被害を予防するためにきちんとした健康影響調査を義務付けるべき。被害を未然に防ぐためにも、今こそ行動を起こすべきだ。
(東洋経済オンライン・岡田広行)
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