「よい提案は通る」は誤解。採用される企画・スルーされる企画の決定的な差とは?――伝え方のプロが教える「提案力」の重要性

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私を含めた普通の販売員は、売りたいビデオカメラの良い点をひたすら話します。「レンズは○○製で、光学デジタルズームで、手振れ防止機能があって」というように。

良いと思うことを伝えれば、相手が納得すると思っているからです。でも、相手は納得してくれません。

しかし、ハイレベルな販売員は違います。最初の「何を撮るのですか?」という質問で、「相手にとって何が価値なのか」を探りあて、あとはそこにミートすることだけ話す。それで、相手は十分納得します。

良い提案は通るはず、というのは誤解で、「通る提案は相手にとって価値があるもの」というのは、こういうことです。

上司に提案を通したいなら、上司にとって価値がある提案を作る、あるいは上司にとって価値があるように「見せる」。それが提案を通すポイントです。

加えて、提案を伝える話の順序や話し方も大切です。また、相手から否定的な反応があった場合の応酬話法が使えれば、説得できる可能性もアップします。

本稿では、これからする提案が高確率で通るためのさまざまな方法を提示します。

提案はエンロールから始める

提案を相手に説明する際、最初にやったほうがよいのが「エンロール」というアクションです。エンロールとは相手を巻き込むこと。これからする提案に相手を巻き込んでいくわけです。

このエンロールには次の3つの道があります。

1 相手に、自分の提案を受け入れるとメリットがあると感じさせる
2 相手に、自分の提案を受け入れないとデメリットがあると感じさせる
3 相手に、自分に対する好感を持たせる

この中で、最も強力なのは3つめの道です。相手が自分に対して強い好感を持っていれば、少々提案に難があっても通ります。ただ、そのような強い好感は相手と自分の間の長い歴史から生まれるもの。短時間のトークで作れるものではありません。

一方で、1と2はトークで実現できるもの。やったほうがよいわけです。

例を挙げて説明しましょう。まずは1の「相手に自分の提案を受け入れるとメリットがあると感じさせる」から。

例えば、あなたが自部門の事務フローを効率化できる企画を考えたとします。ただ、それを実現するためには、後工程である隣の部門を説得しなくてはならない状況です。

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