日本で売れているPHEVは? 直近5年間の購入者データから「日本のPHEV市場」の実態を明らかにした

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もちろん、昨今クルマの価格が上がっているのはPHEVに限った話ではない。安全装備をはじめ、さまざまな機能や装備の向上から軽自動車でも200万円を超えるものが少なくないし、輸入車では円安も価格上昇に大きく影響している。

とはいえ、PHEVを買うには500万円程度が必要となると、買い手となりうる人は相応に絞り込まれるだろう。

「ハリアーZ(プラグインハイブリッド)」は626万0100円(写真:トヨタ自動車)
「ハリアーZ(プラグインハイブリッド)」は626万0100円(写真:トヨタ自動車)

ただし、PHEVにはCEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)が適用される。メーカーや車種により異なるが、2025年度の上限は最大60万円(2024年より5万円増)。

「値引き前車両本体+オプション価格」が1割引になる、とイメージするとわかりやすいだろうか。

そうなれば、最終支払い額は400万円台に落ち着くので、比較検討の土台に上がってくる人も多いだろう。さらに、東京都など自治体によっては追加の補助金も用意されている。

充電設備に対する補助金が受けられることも(写真:トヨタ自動車)
充電設備に対する補助金が受けられることも(写真:トヨタ自動車)

購入検討者にとって補助があるのはありがたいが、補助金ありきでの価格競争力の維持は健全とはいえないだろう。これはPHEVだけでなくBEVにおいても常に議論されている。

売り手視点では、特定のメーカーに偏在する形で、補助金のメリットを享受する可能性が高く、買い手視点ではBEVやPHEVを購入できる人にメリットが偏ってしまう。

BEVとの比較はされているのか?

次に「最後まで比較検討した車種」のランキングを示す。こちらは年別ではなく2020年~2024年の購入者を合算し集計している。

1位はRAV4で、比較した車種全体に占める割合は9%。1位でもこの値であるので、多くの車種に比較対象が分散している結果となった。

「RAV4 PHV」は環境性だけでなくパワフルな走りも売りにした(写真:トヨタ自動車)
「RAV4 PHV」は環境性だけでなくパワフルな走りも売りにした(写真:トヨタ自動車)

ちなみにこの9%のうち、PHEVを比較している人は7%であるので、RAV4比較者の多くがパワートレインを軸に検討したことがわかる。

2位はアウトランダーPHEVの7%である。3位は2車種あり、ハリアーとプリウスで6%。この内ハリアーのPHEVを比較した人は3%と半数、プリウスのPHEVは2%であった。5位はエクリプスクロスPHEVで3%となっている。

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