トヨタを脅かすBYDの躍進《ハイブリッド3年後にピークアウト?》で迎える日本車の未来図 

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(写真:yamahide/PIXTA)

バッテリー式電気自動車(BEV)を手がける中国の自動車メーカーBYDは、5年後にはトヨタの世界最大手自動車メーカーの座を奪う可能性を秘めている。

2026年の目標である650万台(その4分の1は海外市場)を達成すれば、GMとステランティスを凌駕し、3位に浮上する可能性が高い。BYDは2030年までに、中国以外で500万台(グローバル総販売台数の半分)を販売する計画で、既に海外工場を設立し、さらに建設を進めている。

デトロイトの二の舞か?

日本の自動車メーカーは、1970年代にデトロイトの3社が日本の挑戦に対して取ったのと同じような行動を取っているため、顧客を失いつつある。当時、デトロイトは、ガソリン効率が高く欠陥の少ない車へ顧客が移行していくことを信じなかったように、トヨタ、ホンダなどはBEVの挑戦について自己欺瞞に陥っている。

S&Pは、BEVのグローバル市場シェアが2030年までに40%に達するとしている。だが、日本企業はハイブリッド車に多額の投資を行っているため、顧客の嗜好が急速に変化している現実を信じたくないのだ。

S&Pによると、2030年までにガソリン車は2000万~2500万台まで減少する可能性がある。さらに深刻なのは、S&Pがグローバルなハイブリッド車販売(HEVとPHEVの合計)が2028年に2200万台でピークに達し、2035年には1400万台まで減少すると予測している点だ。もしS&Pの予測が正しければ、トヨタが戦略の基盤としている未来の展望は、10年後には存在しなくなるだろう。

BEVを高級品から一般向け製品へと変革するためには、高価格、航続距離への不安、長い充電時間という3つの障害を克服する必要がある。これらの3つの分野において、技術的な飛躍と政策支援による急速な進展がみられている。

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