太平洋セメントが利益重視姿勢を鮮明に《オール投資・注目の会社》

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また、好採算の廃棄物処理など環境事業を強化している。震災以降、セメントを焼結する原燃料として、震災がれきを一部引き取っている。火力発電所が排出する石炭灰も原発事故後に量が増え、意欲的に引き受けている。同社は設備増強により、需要増に対応する方針だ。

全社プロジェクトとして、福島県を中心とする原発事故処理の関連事業にも展開を広げる。放射性物質に汚染された土壌の除去・運搬や、貯蔵施設の遮断用として有効なコンクリート製品の拡販などに注力。全国の沿岸自治体で大津波の襲来に備えた防災・減災計画見直しが具体化することも、追い風となろう。

中国やベトナムなど海外事業も拡大を図っている。こういった積極策の相乗効果が首尾良く発現すれば、来期以降は一段成長を描くかもしれない。中長期的には、01年3月期以来の年商1兆円到達も視界に入るだろう。

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(古庄英一 =オール投資2012年4月1日号)

記事はオール投資執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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