太平洋セメントが利益重視姿勢を鮮明に《オール投資・注目の会社》

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柱のセメント販売が順調 震災特需は5%増収貢献

そして、今12年3月期。電子材料や建材・建築土木といった事業は、不採算製品の見直しで採算が改善。主柱のセメント事業も、東京や大阪の大型ビルやマンション建設ラッシュ、被災地の復旧工事などを背景に、コンクリートの需要が集中的に増加する恩恵を受ける。ここにリストラ効果がフル寄与し、大幅増益となる公算だ。

同社は営業利益計画を270億円としているが、「期初に公表した11年度のセメント販売量(受託分含む)は、想定を上回る見通し。官公需と住宅需要の増加で、企業の設備投資減少を補えそうだ」(同社)という。業績上振れの可能性は十分にあるだろう(『会社四季報』の今期営業利益予想は、前期比85%増の305億円)。


 気になるのは、この勢いが来13年3月期も続くかどうかだが、伸長率は鈍化する懸念がある。都市再開発のコンクリート需要が一巡することが、その理由として大きい。また、周囲の期待をよそに、「被災地における震災特需が、現時点ではまだそう多くない」(同社)と明かす。

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