ユニクロ神話に陰り、最高益でも日米に死角 好調だが予想を下回った決算の中身

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

米国は柳井会長が最優先に位置づけるアパレルの世界最大市場だ。ユニクロも40店以上を展開する。が、売れ行き不振が続き、赤字幅は事前の想定より拡大。店舗の減損は33億円に及んだ。同じく米国に拠点を置き、2012年に買収した高級ジーンズ「Jブランド」も低調で、2014年8月期に続く減損51億円を計上した。

柳井会長は「米国は経営の水準が低い。ブランド浸透度も大都市はいいが、郊外のモールがいま一つ」としたうえで、「世界中から精鋭を米国に送って改善させる。出店政策を変える」と明かす。

2014年8月期は18店、2015年8月期も17店を出店し、急速に店舗を増やしてきたが、今後は出店を抑制、スクラップ・アンド・ビルドで大都市に旗艦店を出す。インターネット通販の拡大でも攻勢をかけるという。ただ、大都市はブランド向上につながっても家賃が高いため、早期の黒字化につなげるのは難しい。

成長中の中国も景気減速の足音が聞こえる中、先行きへの不安を打ち消せるか。ユニクロは岐路に立っている。

「週刊東洋経済」2015年10月24日号<10月19日発売>「核心リポート02」を転載)

冨岡 耕 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

とみおか こう / Ko Tomioka

重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事