シャープもトップ交代 “大穴”次期社長の手腕

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海外経験が決め手に

壊滅的な状況の中でたすきを渡された奥田氏だが、執行役員からの抜擢に「当初驚きで言葉を失った」(奥田氏)。確かにエースと目されてきた片山社長と比べれば、注目度は決して高くはなかった。

サプライズ人事の背景には、国内事業が崩壊する中、海外事業拡大が急務になっていることがある。片山社長は「当社が得意としていた携帯電話もスマートフォン時代になり、外資系に攻め込まれている。世界的に戦える仕組みを作らないと生き残れない」と危機感をあらわにする。

奥田氏はマレーシア法人の事業責任者を経て、AVシステム事業統括に就任。液晶テレビの海外開拓を担うなど、「彼以上に海外の第一線で経験を積んだ人物は見当たらない」(片山社長)。

奥田氏も「液晶や太陽電池、プラズマクラスターなどはもっと幅広い応用が利くはず。社員の創意を生かせば新たな市場が切り開ける」と、海外市場開拓に意欲を見せる。

ただ会社再建には海外拡大のみならず、抜本的な事業再構築が必須だ。5月までには奥田新社長の下で新たな経営戦略が発表される見通しだが、はたして再建の道筋が描けるのか手腕が試される。

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(西澤佑介 撮影:ヒラオカスタジオ =週刊東洋経済2012年3月24日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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