シャープもトップ交代 “大穴”次期社長の手腕

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シャープもトップ交代 “大穴”次期社長の手腕

若きプリンスのあまりにも早い降板である。シャープは3月14日、経営陣を一新する人事を発表した。4月1日付で、片山幹雄社長は代表権のない会長に就任。町田勝彦会長も相談役に退く。後任の社長には奥田隆司海外事業統括常務執行役員(58)を充てる予定だ。

「シャープを支援してくれた人々に誠に申し訳ない」──。交代会見の席で片山社長は開口一番、こう陳謝した。

2007年、49歳の若さで社長に大抜擢された際、前社長の町田会長は「メーカーの経営者は10年腰を据えて務めるべき。だから私より13歳若い片山君にお願いしたんだ」と語っていた。

が、結局5年で交代となった。100年の歴史の中で、社長になったのは5人。最年少で社長に就いた片山社長は最短期間で退くことになる。

窮状はそれだけ深刻だ。特に売上高約3兆円の半分を占め、00年以降同社の基盤となってきた液晶テレビ、液晶パネル事業の凋落が著しい。

液晶テレビ事業は、国内地デジ切り替え需要がなくなり、赤字に転落。液晶パネル事業もテレビ用外販が低迷している。頼みのスマートフォン用は米アップル「アイフォーン」向けがあるものの、日系の苦戦が響き期待ほど伸びていない。結果、12年3月期は過去最悪の2900億円の最終赤字となる見通しだ。

株価も14日に483円をつけ、1979年以来、33年ぶりに500円を割った。

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