電波オークション導入へ 膨らむ落札額の落とし穴

海外で落札額5兆円

ただ、海外では巨額の落札額が負担となり、通信網の整備に支障を来すケースも多い。

ITバブル絶頂の00年、欧州では落札額が最大5兆円と高騰。経営が圧迫された会社が携帯事業から撤退したり、支払いできずにオークションが不履行になった。イー・モバイルの大橋功執行役員は「海外の入札額から考えて投資回収は簡単ではない。利用者に価格転嫁しないとは言い切れない」と話す。NTTドコモも「落札額の高騰は品質への影響につながりかねない」(幹部)と訴える。

資金力に乏しい新規事業者の参入を妨げるという懸念も大きい。オーストラリアなどでは、あらかじめ一定の帯域を新規事業者に割り当てるなど、先行する海外でもいまだ試行錯誤が続いている。

日本の場合、4社の寡占状態でオークションを導入しても、業界活性化につながらないのではないか、という疑問の声もある。すでに割り当てられた電波を回収して再配分する仕組みがないことなど、既存事業者に有利なルールが立ちはだかる。

総務省のオークション懇談会で委員を務めたA・T・カーニーの吉川尚宏プリンシパルは「電波から立ち退く事業者へのインセンティブ(立ち退き料など)付与や、携帯の対面販売義務づけの規制緩和など、業界全体を見直さなければ大きな変化は起きない」と指摘する。

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