東宝が「新海誠作品を手がけるアニメ会社」に出資した知られざる内幕 コミックス・ウェーブ・フィルムの川口典孝氏が語る東宝の凄み
――東宝側のリリースには、制作環境の向上や創作機会の増加、作品展開といった面での支援について言及されていました。
応援してくれるということだ。もう親戚だよね、と。その一環で、実は先週、長野県上田市のTOHOシネマズで研修を受けさせてもらった。

――SNSにも、その際の写真を投稿していましたね。
新海誠の地元の映画館が潰れてしまい、文化の発信が鈍ることを危惧して、2スクリーンの映画館を作ろうとしている。映画館をやるのであれば、もぎりを経験しなければいけないと思い、頼んでみた。そうしたら、TOHOシネマズがわざわざプログラムを組んでくれた。
20年以上剃っていなかった髭を剃り、TOHOシネマズの接客について2時間ほどの座学を受けないと、現場に立たせてもらえない。劇場ではデジタルチケットを目視で確認したり、他社のアニメグッズの品出し、掃除などをしてきた。普通はやらせてもらえないと思うので、ありがたかった。
東宝社員から突然かかってきた電話
――コミックス・ウェーブ・フィルムは、新海監督作品の配給を東宝に託してきました。両者の関係はいつから始まったのでしょうか。
新海誠が独学で作った『ほしのこえ』(2002年公開)という24分の作品が、約8万本のDVDを売り上げるスマッシュヒットとなった。その次の劇場映画を作っていた時に、入社間もない川村元気さん(編集注:東宝で数多くのヒット映画を手がけた名プロデューサー)からいきなり、「一度ご挨拶に」と電話が入った。これが東宝とのファーストコンタクトだった。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら