「ジブリ作品」のネトフリ配信が《海外OK/日本NG》だったのはナゼ? Netflixが日本で『火垂るの墓』配信に踏み切る裏事情

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アニメ映画『火垂るの墓』が日本のNetflixで配信される
Netflixが7月15日からアニメ映画『火垂るの墓』を独占配信することを発表した。スタジオジブリ作品が国内配信されるのは、意外にもこれが初だ(画像:Netflix)
Netflix、Amazon プライム・ビデオ、Huluなど、気づけば世の中にあふれているネット動画配信サービス。時流に乗って利用してみたいけれど、「何を見たらいいかわからない」「配信のオリジナル番組は本当に面白いの?」という読者も多いのではないでしょうか。本記事ではそんな迷える読者のために、テレビ業界に詳しい長谷川朋子氏が「今見るべきネット動画」とその魅力を解説します。

ついに日本でジブリのNetflix配信が解禁

Netflixが7月15日からアニメ映画『火垂るの墓』を独占配信することを発表し、話題を集めています。スタジオジブリの作品が国内で配信されるのはこれが初。メディア業界一大勢力のNetflixでの配信ということも、盛り上がりに拍車を掛けていそうです。

大前提として、時代を超えて評価されている作品であることが大きいでしょう。直木賞作家の野坂昭如による短編小説を原作に、1988年にスタジオジブリによって公開された高畑勲監督作の『火垂るの墓』は、必死に生き延びようとする戦争孤児の兄と妹の物語です。

妹思いの清太と、兄を頼る幼い節子の絆の強さを感じる一方で、2人を襲う飢えや貧困の現実を通じて、戦争の悲劇をまざまざと見せつけられます。冒頭から悲しい結末を匂わせ、衝撃を与えます。遺灰が入った缶のサクマ式ドロップスを手にしながら、ひとり餓死する清太の姿から始まるのです。ジブリ作品の中で“最も暗い”とも言われています。

劇場公開当時の興業収入は約11億円です。数百億円に上る他のジブリ作品と比べると、数字のうえで大成功してはいませんが、名作であることに変わりはありません。かつては日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」の夏の定番というイメージもありました。近年は高畑勲監督の追悼を記念して2018年に放送されることがありましたが、それ以降、地上波に登場することはなく、Netflixでの展開は久しぶりの大きな話題です。

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