ミャンマー大地震「利他」の精神で復興図るミャンマーの日系企業、地震から2カ月、マンダレーの日系企業はどう乗り越えようとしているか

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地震発生後から1カ月後の、震源地に近い大都市・マンダレー市内の様子。まだ倒壊した建物も手つかずだ(写真:西垣充)
2025年3月28日、ミャンマー中部で発生した大地震は、甚大な被害を残した。震源地に近いミャンマー第2の都市・マンダレーには、日系企業も存在した。社員の家屋なども大きな被害を受けた中で、どのように復興しようとしているのか。

社員の命は無事だったが…

「今、事務所が地震で揺れていますが、それほど大きくないので大丈夫です」

日本出張中だったミャンマーDCR社(以下、MDCR)の伊藤紀郎ゼネラルマネージャのもとに、ヤンゴン事務所から突然このような第一報が入りました。MDCRは、日本からのシステム開発を担うオフショア拠点です。

2025年3月28日にミャンマーでの地震発生当時、MDCRには日本人駐在員はおらず、現地のスタッフからの連絡が頼りでした。ヤンゴンではそれほど強い揺れは感じられず、日本側にもまだ震源地に関する正確な情報が入っていなかったため、その報告を受けて伊藤氏もひとまず安堵します。

しかしその後、ネットニュースで震源地がマンダレーおよびサガイン地方であり、甚大な被害が出ていることを知ります。慌ててマンダレー事務所への連絡を試みるも、電話もインターネットもつながらない状態が続きました。

ようやく、地震発生から約2時間後、マンダレー事務所の社員の一人から連絡を受けることができたのです。

「マンダレー市内は深刻な状況で、当社の事務所も窓ガラスが割れ、壁にはひびが入りました。出社していた社員は全員無事で、PCを持ち出したうえで、自宅の状況を心配して各自帰宅しています。
当日はマンダレー支店97人の社員のうち約3割が事務所に出社しており、残りの7割は在宅勤務中でした。現在は、在宅勤務中だった社員の安否確認を進めるとともに、業務への支障を最小限に抑えるべく、週明けの月曜日から在宅勤務が可能な社員のリストアップを行っています」

あの大地震の後も余震が続くなか、ミャンマー人社員たちは自らの判断で安否確認を行うだけでなく、業務継続の体制構築にも積極的に取り組んでいました。

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