産業革新機構、シャープ本体への出資を検討 

液晶事業の再編ねらう

液晶を製造する亀山工場

[東京 10日 ロイター] - 官民ファンドの産業革新機構が、経営再建中のシャープ<6753.T>本体に出資する検討に入ったことが分かった。シャープの液晶事業への出資案を協議してきたが、経営再建を加速するため、本体出資を通じて液晶だけでなく、他の事業の再編も進める意向という。関係筋が10日、ロイターに明らかにした。

シャープの2015年4―9月期の連結営業損益は赤字転落する見通し。液晶事業が、中国のスマートフォン(スマホ)向けの不振で、数百億円の赤字になりそう。計画では4―9月期の連結営業損益は100億円の黒字予想だったが、16年3月期の800億円の黒字計画も達成が難しくなった。

7月の決算発表で液晶分社化を表明したシャープの業績は想定以上に苦戦。液晶分社化でシャープと協議してきた革新機構は、シャープ本体に出資することで、テレビや携帯電話、太陽電池の再建にも取り組むねらい。液晶の再建では、35%を出資するジャパンディスプレイ<6740.T> との協業を探る考え。

革新機構はシャープへの出資を早期に実現させたい考えだが、協議の見通しは不透明。シャープとジャパンディスプレイが統合すれば液晶市場のシェアが高まるため、中国など世界各国の独占禁止法の壁があり革新機構の出資案は難航する可能性がある。

一方でシャープは、液晶分社化の出資候補として鴻海精密工業<2317.TW>とも協議をしてきた。シャープは、革新機構と鴻海との2候補と協議している状況だ。

革新機構を所管する経済産業省は、シャープの技術流出を避けたい考えだが、鴻海は、2012年に合弁出資したシャープの大型液晶事業の堺工場(大阪府堺市)を赤字体質から脱却させて再建した実績もある。革新機構の中では、シャープ再建をめぐり、鴻海と共同出資する案も浮上しているという。

(村井令二 取材協力:浦中大我)

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