外国人の「売り攻勢」に負けない日本株の底力 日本の人口は減ってもおカネは増え続ける

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今週は大きなイベントはない。再び投資家が活気づくのは、9月9日につけた高値を抜けてからか。(写真:尾形文繁)

10月2日のNYダウ(ダウ工業株30種平均)は長い下ヒゲを出しての200ドル高だったが、この日アメリカ株の流れが変わった。

期待した業績相場をあきらめ、金融相場に逆戻りしたのだ。9月雇用統計非農業部門雇用者数は、驚きの14万2000人増と出た。最近のマーケットの反応が、景気指数に対して正(強い数字は買い材料)の反応か、負(強い数字は利上げ早まるで売り材料)の反応かはっきりしなかったが、この日の午後、負の反応へと明確に舵を切ったと思われる。その後、9月のFOMC議事要旨で利上げが遠のいたことが確認され、ダウは6連騰で800ドル高となっている。

今週から本格的に7~9月期決算が発表になる。見通しはあまり良くない。しかし、負の理屈においてはそれも、「更に利上げ遠のく」で株高要因になる。もちろん当該企業においては正の反応となろうが。

9月の外国人売り越し額は最高水準

10月8日に、日本市場における投資主体者別売買動向9月第5週分(9/28-10/2)が発表になった。外国人投資家は、現物・先物合計で6798億円の売り越しで、9月月間の売り越し額は、なんと3兆4014億円と、統計開始以来最高水準の一つとなった。これで、6月からの連続4か月間の売り越し額は、8兆2453億円になる。

よくぞこれだけ売ったものだと感心する。しかし、もっと感心するのは、よくぞ売れたものだ、ということだ。特に8月からの売り攻勢はすさまじく8週連続で7兆円近くも売り越した。

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