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「子どもの熱で休む同僚が悪いわけではないが…」"子持ち様"論争はなぜ起きるのか 職場に潜む分断の“根っこ”とは?

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例えば三井住友海上火災保険は2023年7月、育休を取得した社員を除く職場全員に育休職場応援手当(祝い金)として、職場の規模や育休の取得期間に応じて最大10万円の一時金を支払う制度を導入した。同社では、フレックスタイム制度、在宅勤務の推進など、柔軟な働き方をしやすい環境が整ってきているという。

クロスタレントでは従業員の半数以上がワーキングペアレンツ。在宅でも仕事ができる環境を整えた結果、上原社長自身も「家では料理担当で、なるべく毎日家族で食卓を囲んでいます。子どもと毎日顔を合わせられることは、僕たち夫婦にとってとても価値があることだと思いますし、子どもにもよい影響があると思います。自分の人生としても幸福です」と話す。

今は働きやすい環境を追求する"過渡期"

さらに、上原社長は「子持ち様」論争が起きる現状を過渡期とみなし、次のように解説する。

「日本で産休育休などの制度が、ある程度法的に整ったのが2010年頃。正社員のワーキングマザーが増え、子どもがいる女性を働きやすくしよう、という時期がしばらく続きました。しかし、ワンオペ育児の女性はやがて退職してしまう。だから男性の育休も進めよう、という流れが生まれました。

今は、子育てする人はだいぶ働きやすくなったけれど、サポートする周囲に対して手落ちがある状態。そもそも育児をしている・していないにかかわらず、働きやすい環境を追求するタイミングになってきていると思います」

もはや「24時間戦える」社員を求める時代ではない。人手不足が顕在化した今こそ、いかに多くの人が能力を発揮できる環境を整えられるか、子育てに限らずさまざまな事情で穴を開けるスタッフをフォローし働きすぎる人を減らしていくか、国を挙げて取り組むべきではないだろうか。「子持ち様」論争で、大事な戦力の間にしこりを作っている余裕はないのだ。

多様な働き方を認めることは、多様な価値観を受け入れることだ。それができれば、現場でも固定観念にとらわれない発想が生まれ、企業の発展も促されるのではないだろうか。

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