これだけなら普通の話ですが、同時に違うヤングママが、同じような原因で子供2人を連れて離婚したので、私の印象は強烈でした。美佐子さん(仮名)という人ですが、彼女も夫の所に引き返せなかったのが、「離婚をお膳立てしてくれて、マンションと新しい所帯道具を一度に全部揃えてくれた実家の親を、裏切れなかった」と言うので、驚きました。
美佐子さんの夫は、誠実で努力型の人です。たまたま事業がうまくいかず、時々200万円単位のおカネを、富裕な妻の実家から借りていました。ある日、夫がまたおカネの工面を頼んだところ、経済的な多寡でしか人を判断しない彼女の実家の両親は、婿に一気に愛想をつかしました。これみよがしに、5000万円のマンションと、所帯道具一式を娘に買い与え、そして離婚訴訟を進めたのです。
この事情を知る人たちは、美佐子さんの両親は、そのマンション代などで娘婿の事業を応援すべきなのに、娘を離婚させるためにおカネを使うなんて、おカネの使い方を間違っていると、美佐子さんの両親を批判していました。
これらは極端な例ですが、実は決して珍しくない例なのです。夫婦間の些細な問題を、実家の親の介入でこじらせないという意味でも、「結婚後の親離れ子離れ」は重要です。
親離れと、疎遠な関係は違う
それで食事の件に戻りますが、啓太様、物事は言葉で伝えないと伝わらないことがあります。
昔、私の友人グループに、ある開業医の夫人がいました。「夫の夕食は9時を過ぎる。9時過ぎは、自分の見たいテレビ番組でキッチンに立ちたくないから、揚げ物もすき焼きも水炊きなどの鍋料理もすべて完成しておいて、夫が自分で温めて食べる癖をつけた」というのです。それを黙って食べる夫も夫ですが、揚げ物などをあらかじめに仕上げて、冷めたものを供することができる、その専業主婦の無神経さに、私と友人達全員で驚き、あきれたことでした。
普通、料理をした人は、そのお料理がいちばんおいしいタイミングで食べてほしいと願うものなのです。平気で冷めた料理を食べさせようとする時点で、相手への配慮や思いやりがありません。
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