啓太様の義母がいつまでもお元気でおられるわけはなく、いつかはご家族で、夫人の手作りの料理で食卓を囲む日が訪れると思いますが、その頃には、子供さんが巣立っていることも考えられますね。私は56歳まで嫌々、義母の料理で過ごした人を知っています。
それよりも、結婚当初からもう5年も、そのような生活に従ってきたわけですから、いまさら「家族だけで自宅でゆっくり夕食を取りたい」とあなたから言い出すのは、当然の話ですが、ずいぶん角が立つ話になります(とりあえずこの件は、後に触れることにします)。
実家への依存が結婚生活を潰す
いちばんの問題は、精神的にも生活実態的にも現在の、通い婚に近い形が問題です。なぜかと申しますと、精神的に実家の親から自立していなかった故に、望ましい夫婦関係を築けなかったり、母親としての自覚が足りない行動に走ったりした女性を、私は何人も見てきたからです(啓太様の場合は、これは大袈裟な危惧かもしれませんが)。決して縁を切って疎遠になれという意味ではありませんが、健全な家庭は、実家から自立した健全な親により、営まれるものなのです。
同時に、子離れできていない夫人の実家の親も親として、親らしい冷静な行動が取れないものです。私はそのような事例も、たくさん見てきました。
啓太様のように妻側の親に関して言いますと、夫婦や義理の親子関係が上手くいっている間はいいのです。ですが一旦どこの夫婦にでもあるような些細な問題で夫婦関係がこじれた場合、親の介入で、あらぬ方向に夫婦関係が向くことがあります。
こんなときに私が決まって思い出す、2人のヤングママがいます。ひとりは亜矢子さん(仮名)。すごくハンサムな夫に、親しく付き合う女性ができたそうです。夫は2歳になる可愛い娘に誓ってやましいことはないと言ったのですが、嫉妬心が激しく、猜疑心の強い亜矢子さんは大袈裟に騒ぎ立てました。そこに亜矢子さんの母親が介入し、娘婿を罵倒して、娘を連れて帰りました。亜矢子さんの母親は、かねてその孫を、自分たちの跡取りにしたいと言っていたので、願ってもないことでした。
あとで亜矢子さんと話したことがあるのですが、自分も騒ぎ立てすぎたことを反省し、何度も夫の元に戻ろうとしたそうですが、それを阻んだのは嫁の実家の親だったということでした。そんな親の反対を押し切って、夫のところに戻る勇気が出なかったのは、今回親に反抗した場合、次に夫の裏切りに遭ったときは、帰るところがなくなるから、と言うのです。親が普通の人なら、離婚していなかったケースでした。
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