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スマホ決済、生体認証など「多様化する決済手段」が招く重大懸念 国家による情報管理や情報漏洩リスクにどう備えるべきか

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  • 宿輪 純一 帝京大学経済学部教授・博士(経済学)/社会貢献公開講義「宿輪ゼミ」代表
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電子マネーは“先(前)”に、カードなど支払手段に入金しておく。資金決済法を考えるときに、交通系に導入が決まっていたので、暗証番号がない方式を採用した。

駅の改札で暗証番号の入力をする手間(時間)はあり得ない。ということは、一般の店舗でも同様に暗証番号を求めないことになる。実際に、このようなことを、法律を作る立場で検討するのは、案外難しい。

Suicaの上限が2万円に決まった経緯

当局の委員会のメンバーであった筆者は、上限金額の設定が必要不可欠であることを提言し受け入れられたが、具体的な金額をどうするかという段階に入って紛糾した。

(現在、主流の記名型では特定できるが)基本的に、落としたら、拾った人に使われてしまう。入金の回数(手間)は減らしたいが、リスクは下げたい。つまり、そのカードを落としても、その人の経済的ダメージにならないような金額の検討をめぐって議論が難航した。

様々な方を呼んでヒアリングしたが、たしか、JR東日本の社長から通常の切符で一番長いのが当時1万9000円程度という話をうかがい、「それでは」ということで2万円を上限にすることを決定した経緯がある。

本年4月に開幕した「大阪・関西万博」が人気で、多数の入場者を迎えていると聞く。特記すべきは、入場ゲートではQRコードでの入場もできるものの、ほとんどが顔認証でチェックされ、実質的なゲートがないことだ。

この顔認証はNECが行っているもので、歩いてくる人を本人確認することができる高度な技術である。この技術はすでに空港で使われており、保安に役立っている。なんと、瞳と瞳の距離と顎の関節の距離で、認証している。変装や整形などはまったく役に立たないという。

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【生体認証が抱える弱点】

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