だが、サイコパスはチームの一員として行動することができない。そこには根本的な利害の対立がある。彼らにとっては、共有資源(コモンズ)より自分の利益のほうが重要だ。彼らはつねに他人の利益より自身の目先の利益を求める。これに対する唯一の防衛策は、正当な対処をすることだ。
サイコパスを見抜くのは専門家でも難しい
自分は絶対に騙されないと思っていても、騙されることはある。私は大勢のサイコパスに囲まれて生きてきた。彼らがささいな利益を得るために他人の人生を破壊したり、深刻なダメージを与えたりするのを目の当たりにしてきたのだ。
職場のサイコパスを見抜く知識をもつ犯罪心理学のプロと仕事をしたこともあるが、彼らでさえも、際限なくお世辞を言ってくる直属の部下のサイコパスを見抜くことはできなかった。
サイコパスに正面切って立ち向かうエネルギーも勇気もないから、危険信号が点灯しても無視することにしたと、親しい人たちから言われたこともある。私たちは誰もが騙されておかしくないし、弱い立場につけこまれることもある。
サイコパスが怖くてたまらなくなり、できるだけ抵抗しない道を選んだり、ウソを受けいれたりすることもある。たとえ周囲の人が全員、あれはウソだと目の前で叫んでも、耳をふさぐのだ。
しかし、グループが一致団結したコミュニティとなり、サイコパスのコントロールに成功した例も見てきた。
脅迫やお世辞に動じない個人やシステムはルールを理解し、それを破るのを断固として拒否する。
明確な境界線を設け、固持し、黄金律(ゴールデンルール)を厳守し、その結果がどうなろうとぶれることはない。こうした状況下では、サイコパスの悪巧みが通用しなくなるのだ。
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