絶好調「鳥貴族」の陰で大赤字、黒歴史と化しつつある「トリキバーガー」。味よし、値段もよし! なのに盛大に失敗した”本質的な理由”

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

印象的だったのが客層の幅広さだ。家族連れから女性グループ、若いカップル、高校生、パソコン作業する人、高齢者の集まりまで老若男女。さらにヒジャブ(髪を覆うバンダナのようなもの)をしていることからムスリム(イスラム教徒)と思われる女性もいてグローバルだ。

イスラム教は豚肉を食べられないが、チキンバーガーならOKということだろう(厳密に言えば鶏肉もハラル認証されたものでないといけないが、気にしない人もいる)。 

このように幅広い層に受け入れられているのを見る限り、国内はもちろん海外含めあらゆる立地に展開できるポテンシャルはありそうなのだが。 

トリキバーガーで鳥貴族一本足打法を脱却する予定だった 

そもそも、なぜ鳥貴族がトリキバーガーを始めたのか。 

チキンバーガーは、もともと大倉氏がコロナ禍以前から温めてきたアイデアだったという。鶏肉を得意としてきた同社のノウハウを生かし、鳥貴族とは別のもう一つの柱をつくるべく開発した。 

鳥貴族一本足打法では、夜の居酒屋需要が激減したコロナ禍のような事態で甚大なダメージを喰らってしまう。チキンバーガーなら、非常時も居酒屋と比べて需要が落ちにくい食事業態。

鳥貴族
全国で約660店舗を展開する焼鳥チェーン「鳥貴族」は、同社のまさに屋台骨。だからこそ、その他の柱が求められてきた背景がある(筆者撮影)

さらに、テイクアウトやデリバリーにも向く。ムスリムがいたように鶏は宗教上の制限も少なく海外展開も狙える。そうした狙いで始まったものだった。 

TORIKI BURGERの社長には日本マクドナルド出身の髙田哲也氏を起用。その知見を生かし、まさにマクドナルドのような、老若男女、グローバルに愛される業態をつくろうとしたのではないだろうか。 

マクドナルドはじめファストフードを彷彿とさせる1階のレジカウンター。オープン時のメディア内覧会時に撮影(筆者撮影)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事