国交樹立から5年後…その"記念品"として贈られた「七支刀」が示す、ヤマト王権と百済の蜜月関係

石上神宮所蔵の七支刀はヤマト王権と百済の国交樹立の記念品だった(写真:kazz zzak/PIXTA)
剣身の左右に3本ずつ段違いの枝刃を持つユニークな形から、アニメの登場人物の武器などとして描かれることも多い七支刀ですが、駒澤大学名誉教授の瀧音能之氏によれば、この七支刀こそがヤマト王権と百済の「国交樹立の記念品」だったそうです。
不安定な情勢下だった古代東アジアで、七支刀によって結ばれた2つの国の関係とはどんなものだったのでしょうか。瀧音氏の著書『日本書紀が解き明かす 日朝古代史の謎』から、一部を抜粋・編集する形で解説します。
断続的に渡来してきた辰韓の「技術者集団」
但馬の出石(いずし)神社(兵庫県豊岡市)は、新羅の王子であるアメノヒボコを祀っており、この地に先進技術をもたらした開拓神となっている。
アメノヒボコは最終的に但馬に祀られたことは記紀にも記述があり、アメノヒボコがもたらした神宝が納められたことが記されている。記紀で但馬に納められた神宝は『古事記』では8種、『日本書紀』では7種となっており、内容も若干異なる。
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