AIJ年金消失問題で一斉調査、問われる金融庁の監督責任

AIJ年金消失問題で一斉調査、問われる金融庁の監督責任

「顧客資産の状況について、現時点で投資家に説明できない状況にある」と当局へ報告し、2月24日には金融庁から1カ月間の業務停止命令を受けたAIJ投資顧問(東京都中央区)。こうなると公表されてきた数値自体がどれも疑わしい限りだが、AIJの事業報告書を改めて見た業界関係者からすると、「運用規模に比べて営業収益が少なすぎる」という。

日本証券投資顧問業協会の『投資運用会社要覧(以下、要覧)』には、運用会社の財務状況や運用規模のほかに、基本報酬体系も掲載されている。AIJの場合、契約資産が50億円までの年間基本報酬体系の料率は、国内外投資や投資形態(株式、債券、バランス型)に区分したうえで0.3%~0.9%となっている。
 
 例えば、11年3月末時点の契約資産約2100億円に、もっとも低い料率の0.3%をかけても報酬は6億円強になる。だが、2010年12月期の事業報告書に記載された営業収益はわずか8000万円弱しかなく、「ケタが1つ小さい」(業界関係者)。

改めて過去の数字をさかのぼると、運用規模が年々拡大してきた一方、投資顧問部門収益はむしろ減っている(表参照)。



 
 「(AIJの)事業報告書に記載された営業収益の区分もおかしい。投資顧問料はわずか242万円で、業務委託料が7707万円。業務委託料という項目は通常あまり使わない。収入の少なさや計上した項目について、金融庁は指摘をしなかったのだろうか」と業界関係者は疑問を呈す。
 
 投資運用業者は年1回、事業報告書を金融庁に提出する必要があるが、外部監査という形で第三者のチェックを受ける義務は法律で課されておらず、AIJの場合も外部監査は受けていなかった。

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