「億万長者と闘う!」“イーロン・マスクと対決”バーニー・サンダース上院議員(83)≪異例の熱狂を生む3万6000人集会ルポ≫

かつて民主党の大統領選の指名争いで敗れた上院議員のバーニー・サンダース。83歳の彼がいま、赤い州(共和党の地盤)と青い州(民主党の地盤)の両方で集会を開き、大人気を博している。現場に集まる人々の生の声を取材してみた。
「この国では、国民皆保険制度が必要だと言うと、トランプ支持者たちから『社会主義者だ』とレッテルを貼られる。でも相互扶助の医療保険システムを求めて何がいけないんだろう、とずっと感じてきた」
そう言いながら、ロサンゼルスで4月の半ばに開催されたバーニー・サンダースの集会の入り口の長い列に並んだのは、公立学校で教師をしている30代のシャノンさんだ。
真夏日となったこの日、タンクトップ姿の彼女は「EAT THE RICH」という文字と、骸骨がペロッと舌を出しているイラストを描いて、プラカードを手作りした。
「死んで骸骨になっても、まだまだ貪欲に金儲けしたい億万長者たちの欲望を、絵で風刺してみた」と言う。
彼女のイラストは大人気で、入り口までの列に並んでいる間、多くの人たちから「写真撮らせて」とせがまれていた。

トランプとイーロン・マスクに挑戦状
かつて大統領選で民主党指名候補を争ったバーモント州代表の上院議員のバーニー・サンダースはいま、アラバマ州やネブラスカ州など、トランプ支持者の数が多い「赤い州」で集会を行い、毎週、数千人から数万人の観衆を集めている。
集会のテーマは「オリガルヒと闘う」だ。“オリガルヒ”とは、古代ギリシャで富裕層の貴族たちが政治を支配していた体制を指す。この言葉で、サンダースは、億万長者のイーロン・マスクを重用するトランプ政権に挑戦状をつきつけた形だ。
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