ネット上に情報もたくさん、いったい何が正しいのかわからない…《悩む受験生たち》に東大に合格した僕が伝えたいこと

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「なんで悩む生徒と、悩まない生徒でこんなに差が出るんだろう?」と考えた僕は、これについて非認知能力研究の第一人者である中山芳一先生に話を伺いました。

すると、こんな見解をいただきました。

「今って、昔と違って『基準』になるものがたくさんあるんですよね。昔は、勉強ができればOKで、成績が高ければ高いほどいい、という評価がありました。大学受験も、一般受験がほとんどでしたよね。

でも、今は総合型選抜入試の割合も増えてきて、『頭がよければそれでいい』という価値観ではなく、多様な基準が増えました。『勉強ができるからって、それでいいわけでもないし』と悩んでしまう生徒も多くなっているのではないかと思います。

その一方で、今の時代はスマホで答えを調べたり、親や先生の言うことを聞いていれば、答えを簡単に得ることができます。『悩まない人』にも2種類あって、『他者に判断基準をすべて任せているから悩まない人』と、『自分の中で基準があるから悩まない人』がいるのではないかと思います」

整理すると、

1 他者に判断基準をすべて任せているため、あまり悩まない人

2 自分で判断するが、基準が自分の中で安定せず、悩む人

3 自分で判断するが、基準が自分の中で決まっているため、あまり悩まない人

「1→2→3」の順番でステップが変わっていき、「2」で苦しんでいる学生も多いということですね。

ネットでは「この勉強法は効果がない!」の声も

そして、この中山先生の理論をもとに考えてみると、「悩まない」ことが、必ずしも優れているわけではないということがわかります。「1」の人はむしろ、軸がないまま他人にすべて委ねているため、将来的に自分の進路に迷ったり、後悔しやすくなる可能性が高いと考えられます。

そう考えるとたしかに、大学入試のシステムも変わり、勉強ができればいい大学に入れるというわけではなくなってしまいました。以前よりも大学受験で多くのことを求められるようになっている2025年現在、悩むのはむしろ当然のことなのかもしれないと感じます。

スマホでいろんな情報が手に入るようになってしまったというのも、悩みを増やす原因になっているのかもしれません。昔は学校の先生の言うことに従っていればよかったため、「こういう勉強法をしろ」と言われたらそれに従うという選択しかありませんでしたし、それを疑うこともありませんでした。

しかし、ネットで調べたら「こういう勉強法は間違っている!」という意見を探すことができてしまいます。「先生がこう言っているけど、ネットではこう言っている。どっちが正しいの!?」と考えてしまうわけです。

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