週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
ビジネス

「よつ葉バターを応援します」「外資に渡すな!」よつ葉乳業が《異物混入》で約628万個の自主回収…それでも“賞賛の声”しか集まらないワケ

7分で読める
  • 西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授
2/4 PAGES

これらのことに加えて、よつ葉乳業が賞賛を集めた要因として、下記の4点が考えられる。

1. 問題に誠実に向き合っていること
2. 「誠実に事業を行っている」というイメージが強いこと
3. リピーターやファンが多いこと
4. 業界で超大手ではないため、消費者に「応援したい」という思いが生まれやすかったこと

今回の異物混入は、顧客からのクレームで発覚したが、よつ葉乳業は約628万個もの商品回収を発表している。迅速かつ最大限の対応を取ったと言ってよいだろう。

筆者自身、よつ葉バターを利用している。品質がよいのに値段は高くはなく、「質実剛健」というイメージがある。

スーパーマーケットに行くと、明治、雪印、森永といった超大手ブランドと並んで、よつ葉バターが並んでいることが多い。

よつ葉乳業の売上高は1234億円(2024年3月期)と大きいのだが、明治、雪印メグミルク、森永乳業の3社の売り上げはすべて5000億円を突破しており、いずれもよつ葉乳業の4倍以上の規模だ。

筆者はバター商品に関して「超大手の上場企業に対抗してよく頑張っているな」という印象を持っている。よつ葉乳業にさほど親しみのないユーザーでも、筆者と同様に感じている人は少なくないのではないかと思う。

「誠実な企業が、発生した問題に誠実に向き合っている」というイメージがあり、利用者の愛着もあったからこそ、異物混入があっても、あるいはあったからこそ「応援しよう」という思いが強く生まれたのではないかと思う。

他の企業で同様のようなこと起きた場合、よつ葉のようなことが起こせるとは限らないし、企業イメージは一朝一夕で作れるものでもないのだが、今回のケースから学ぶべき点は多いように思える。

よつ葉乳業が発表した「製品回収のお詫びとお知らせ」(画像:同社公式サイトより)

「外資に乗っ取られる」は陰謀論?

今回の異物混入で特徴的だったのは「よつ葉を外資から守れ」といった投稿が目立ったことだ。なかには、2.5万件の「いいね」、2000件以上のリポストを集めた投稿も見られる。

次ページが続きます

3/4 PAGES
4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象