「よつ葉バターを応援します」「外資に渡すな!」よつ葉乳業が《異物混入》で約628万個の自主回収…それでも“賞賛の声”しか集まらないワケ

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こうした動きに対して、「(外資に狙われているという説は)陰謀論だ」といった投稿も多数なされており、議論はいまだに収まっていない状況だ。

実際のところ、「よつ葉乳業が外資系企業に狙われている」という根拠のある情報はどこにもない。そもそも、よつ葉乳業は非上場企業だ。外資に限らず、株式市場から株を買い占めることはできない。

なぜこのような議論が起きてしまうのだろう? 主に下記の3点が考えられる。

1. 直近の異物混入などの日本企業の不祥事と関連付けられたこと
2. よつ葉乳業が北海道に拠点を置く「日本企業」であること
3. 過去のよつ葉乳業の広告が影響していること

今回の問題を、小林製薬の紅麹健康被害からの同事業の撤退、すき家の異物混入と関連づけている投稿が散見される。日本の「優良企業」で問題が相次いだことを関連づけて、「外資の陰謀」と見なしているのだ。

まさに、よつ葉乳業は「堅実な日本企業」というイメージを担っている。さらに、同社が北海道に本社があり、北海道産の乳製品を生産しているという点も大きいのではないだろうか。ニセコをはじめ、北海道が外国人訪日客に人気で、外国資本が入ってきていることに対する反感が表れているのではないかと思われる。

SNSの投稿を見ると、過去の同社の「よつ葉デリバリー」の新聞広告に言及しているものが散見された。この広告では感染症の対処法として、「ワクチンよりも、免疫力を高めることのほうが大切だ」ということを謳っている。

「愛国系アカウント」の多くは「反ワクチン」を主張している。どのくらいの規模かは判然としないが、「反ワクチン」を唱える人たちが「よつ葉を外資から守れ」という主張をしているというのもあるようだ。

よつ葉と対照的な「亀田製菓の不買運動」

昨年末から今年の年始にかけて、「ハッピーターン」などのお菓子で知られる亀田製菓が炎上し、X(旧Twitter)上では「#亀田製菓不買運動」が多数投稿された。

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