実はかしこい!ヒトとも共通する《タコの知性の階層》 学び続けるタコやイカの子どもたち

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タコ イカ
たこ(写真: richi.a7 / PIXTA)
イカ・タコなどの頭足類は、人類とはまったく異なる身体・脳の構造を持っています。一方で、他個体とのコミュニケーションや鏡像認知など、ヒトにも通じる高度な知性の持ち主であることがわかってきました。
島根大学生物資源科学部附属生物資源教育研究センター教授の吉田真明氏と、テクノプロR&D社インフォマティクス事業推進室技術員の滋野修一氏の共著による『タコ・イカが見ている世界』を一部抜粋・再構成して紹介します。

タコとヒトにもある「知性の階層」

タコとヒトの脳は共通してニューロン(神経細胞)やそれを守る細胞などから成り立っている。また、栄養や酸素を与える血管があることも共通である。つまり情報を受け取って処理することや、脳を守ることなどは変わらない。

しかし、タコとヒトでは脳の形や細胞の種類が大きく異なる。研究者はどのように両者を比較すべきか悩んできたが、今は形が違う脳に共通の仕組みを見出せるようになってきた。

ヒトの脳には、段階的な機能があると考えられている。食べることに関わるのは「低次の段階」で、歩いたり姿勢を調整したりすることが「中次の段階」、相手と関わったりする社会性の行動が「高次の段階」という具合だ。この段階的に整理された心理の仕組みは、タコとヒトの脳や行動を比べる際にとてもよい基準となった。

コウイカの脳の研究でも、同じような段階が提唱されている。電気刺激をコウイカの脳のさまざまな部位に与える実験によって、人間の脳と似た低次・中次・高次の場所があることがわかってきた。

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