この生まれてから1か月は大事である。餌取りやその学習に失敗した多くの子どもたちが死んでいく、一番過酷な時期でもあるためだ。
生活スタイルに合わせて生きる
この時期は体と脳の成長が著しい。腕は長くなり、眼の動きも活発になり、体が示せる動きのパターンも増える。そして何より脳の中では、触ることや見ることに関わるところ、そして触覚についての学習や記憶に関わる部位が急激に大きくなる。
大人になると、タコの場合、海の底に隠れるような隠遁生活を送る。隠れ家を探し、岩を真似て隠れることが上手くなる。そのときも、隠れるための体の模様が新たに生まれる。頭足類は、生まれてからずっと、生活スタイルの大きな変化に合わせながら、賢く学ぶことができる生き物なのである。
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吉田 真明
島根大学生物資源科学部附属生物資源教育研究センター教授
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よしだ まさあき / Masaaki Yoshida
大阪大学大学院理学研究科修了。博士(理学)。お茶の水女子大学アカデミックプロダクション日本学術振興会特別研究員PD、国立遺伝学研究所を経て、現在、島根大学生物資源科学部附属生物資源教育研究センター教授。専門は系統分類学、進化生物学。
滋野 修一
テクノプロR&D社インフォマティクス事業推進室技術員
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しげの しゅういち / Shuichi Shigeno
岡山大学自然科学研究科博士課程修了。博士(理学)。理化学研究所発生再生科学総合研究センター研究員、シカゴ大学神経性物学科助教、国立研究開発法人海洋研究開発機構研究員、ナポリ海洋研究所研究員、シカゴ大学アルゴンヌ国立研究所研究職員、大阪大学大学院医学系研究科助教を経て、現在、テクノプロR&D社インフォマティクス事業推進室技術員。専門は脳科学、進化生物学。共著に『遺伝子から解き明かす脳の不思議な世界―進化する生命の中枢の5億年』(一色出版、2018年)、監修に『深海のふしぎ 追跡! 深海生物と巨大ザメの巻』 (講談社の動く学習漫画MOVE COMICS、2016年)など。
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