最悪の場合、歩けなくなるだけでなく、排尿・排便障害も…医者も見誤る「脊柱管狭窄症」判断する2つの決め手

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●安静にしていても足に痛み・しびれが出る

立ったり、歩いたりすると痛み・しびれが出ていたのが、重症になると、安静にしていても痛み・しびれが出るようになります。

●足が麻痺して力が入らなくなる

足のしびれが進行すると、麻痺状態になることがあります。足首を上に持ち上げることができず、スリッパが脱げてしまう。ひざをまっすぐにすることができず、ガクッと腰が抜けてしまうなどの症状が現れます。

●排尿・排便障害

おしっこが出にくい、残尿感、頻尿、尿もれ、便秘など、排尿・排便のコントロールができなくなります。

何より大切なのは「早期発見・早期治療」

ここでもう1度、「歩けなくなりますか?」という質問に答えると、「こうした危険なサインが出ているにもかかわらず病院に行かない、手術が必要なのに手術を受けないといった選択をすると、本当に歩けなくなる可能性があります」という答えになります。

『脊柱管狭窄症の痛み・しびれリセット法』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

この3つは、神経の圧迫が相当強くなっているというサインです。早急に専門医の診察を受けるようにしてください。

ただし、多くの場合は、手術を受けることで症状が軽くなり、改善が期待できます。また、脊柱管狭窄症の症状は、長い年月をかけて少しずつ進行するので、いきなり重症化することはまずありません。

どんな病気にも言えることですが、脊柱管狭窄症も早期発見・早期治療が何より大切です。早期に発見したからといって、必ず手術が必要ということではありません。

症状が軽い場合は、両ひざを立てた状態での腹筋や、エアロバイクを使った運動、薬による治療を取り入れることで、進行を抑えることができます。

大切なのは、少しでも異変を感じたら早めに専門医に相談することです。早めに診断を受けて、適切な対策を取ることで、日々の生活をふたたび快適に過ごすことができるようになります。

芳村 憲泰 日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医

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よしむら かずひろ / Kazuhiro Yoshimura

日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医。日本脊髄外科学会認定医・指導医。日本脳神経外科学会専門医・指導医。

1994年、灘高等学校を卒業後、大阪市立大学医学部に入学。卒業した2001年より、大阪大学医学部付属病院、大阪府立成人病センター、医誠会病院、行岡病院などに勤務。2013年からは大阪脳神経外科病院に勤務し、脳脊髄外科部長を経て、2023年に大阪市東淀川区に「よしむら脳神経・脊椎外科クリニック」を開院した。

もともと専門分野に脳神経外科を選ぶも、キャリアを重ねていく中で脊椎の病気について深い学びを得て、現在は、脳神経外科専門医であり、かつ、脊椎外科を専門としている。脊椎外科では1000件を超える手術経験があり、内視鏡手術を得意としている。

「ひとりでも多くの方の痛みやしびれを治し、不安を取り除く」をモットーにした治療で、全国から診察希望者が押し寄せている。

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