最悪の場合、歩けなくなるだけでなく、排尿・排便障害も…医者も見誤る「脊柱管狭窄症」判断する2つの決め手
もう1つは、比較的、年齢が若いこと。その方は40代後半で、脊柱管狭窄症の好発年齢には当てはまりません。40代で脊柱管狭窄症を発症する例もないわけではありませんが、比較的まれなケースと考えてよいでしょう。
くり返しますが、本人を診察しなければ本当のところはわかりません。しかし、以上の理由から、この方の腰の痛みは狭窄からきている症状ではない可能性があります。
原因は別のところにあるかもしれない、ということです。
もちろん、狭窄があるのは確かですから、これ以上、狭窄が進まないように生活習慣を改善し、セルフケアにつとめ、定期的に経過観察をしたほうがよいのは言うまでもありません。
ですが、自分は脊柱管狭窄症だと思い込んで必要以上に思い悩んだり、間違ったセルフケアをしたり、必要のない手術について考えることは避けたいものです。そうならないために大切なのは、患者さん自身が知識をつけることが大切なのです。
放っておくと歩けなくなる?
「このまま放っておいたらどうなりますか?」
「歩けなくなりますか?」
患者さんからよく聞かれる質問です。
私のYou Tubeチャンネルでも、この質問に答えた動画が、もっとも多くの再生回数を記録しています。歩けなくなって車いす生活になるのではないか、寝たきりになるのではないか、と恐れている方がそれだけ多いということでしょう。
結論から言うと、治療も何もせずに放っておけば、理論的には歩けなくなるかもしれません。
しかし、歩けなくなるまで放っておくという患者さんは、実際にはほとんどいません。それよりも前の段階で医療機関にかかり、専門医の診察を受け、適切な指導や治療によって軽快するケースがほとんどです。ですから、必要以上に心配することはありません。
そのうえで、もし何もせずに放置するとどんなことが起こるか、お伝えしましょう。考えられる症状は3つあります。
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