「健康長寿」のコツは日常の中に… 医師の鎌田實さんが提唱する【脳トレ生活】の"ちょっとした工夫"
鎌田の歩行速度は秒速1.3mで、今年中に秒速1.6mが目標。10mの距離を6.25秒の速歩きで、90歳の壁を元気に越えるつもりです。
まずは散歩のとき、歩幅を10cm広くする「幅広歩行」を取り入れてみましょう。人が多いときは普通に歩き、人が少ないときは「幅広歩行」。30秒程度取り入れるだけでも、ウォーキングの効果が変わってきます。
またウォーキングは、脳血流を上げて脳を活性化させ、景色を見たり、道順を覚えたりすることで空間認知能力を育むなど、脳活効果も大。
そこで、さらに脳を使うひと工夫。ゲーム感覚で楽しめる「目的」を設定してみてください。
たとえば、ポストや花や車など「赤いもの」をいくつ探せるかチャレンジすると、集中力や注意力、視覚情報の処理能力が鍛えられますし、車のナンバーを覚えて、歩きながら何度か思い出してつぶやけば、海馬が刺激されて、短期記憶力が高まります。
さて、今日はどんな「お題」で歩きましょうか?
誤嚥性肺炎を防いで脳トレにもなる「音読」のすすめ
読書は、集中力を高め、心をリフレッシュさせてくれるすばらしい趣味。そこで、せっかくなら読書にも「脳トレ」「筋トレ」を加えてしまおうというのが、鎌田式「音読のすすめ」です。
目で文字を追い、声に出し、耳で聞く音読は、黙読と比べて脳の処理が複雑になるので、前頭前野がより活性化されるといわれています。前頭前野とは思考や判断などを司る脳の重要な部分。記憶力のアップも期待できます。
また音読は、加齢とともに衰えやすい口まわりの筋肉もしっかり鍛えてくれます。
噛む、飲み込むという「嚥下 」の機能が低下すると、食べ物が気道に入りやすくなり、誤嚥性肺炎のリスクが高まることになります。
しかし、音読を取り入れることで、それを予防することができるのです。
音読の際は、口をしっかりあけ、はっきりと発音しましょう。口のまわりやのどの筋肉を意識しながら声を出せば、リハビリ体操のように効果を発揮します。
ただし、本の内容が頭に入らなくなるほどがんばる必要はありません。まずは1ページ、慣れてきたら2ページ。量よりは質。
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